週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

西武・柘植世那 ベテラン、新外国人も好リード。攻守に存在感を発揮/ドラフト下位入団選手の今

 

ドラフト5位入団ながら、チームに欠かせない捕手となっている柘植


 チームの流れを一変したいとき、ニューヒーローの出現ほど効果的なものはない。特に開幕から苦戦が続く西武にとっては、“ぜひもの”とも言えた。そこに、待望の存在が現れた。ドラフト5位捕手の柘植世那である。西武の捕手と言えば本来、昨季リーグMVPの森友哉が不動の地位を確立しているはずだが、今季は想定外の打撃不振。さらにチームも下位に低迷していることからも、辻発彦監督は一大決断を下した。8月27日の日本ハム戦(メットライフ)、森と同期であり、経験も実績も併せ持つ2番手捕手の岡田雅利ではなく、データ皆無のルーキー捕手を先発マスクに大抜擢し、状況打開を試みたのである。

 結果は“大吉”と出た。新人とはいえ、社会人卒だけに、捕手としての実戦経験は豊富だ。キャンプ時から秋元宏作コーチが「落ち着きはさすが社会人のレギュラー。球の使い方も個性があるし、実戦向きだと思う。面白い存在」と評価していたとおり、堂々たるリードを披露した。さらに圧巻は打撃だ。6回裏にプロ初本塁打を放つなど、3打数2安打の活躍。さらに、次に先発出場した8月29日の楽天戦(楽天生命パーク)でも、初本塁打から2打席連続となる本塁打を放ち、森、岡田にも引けを取らない“打てる捕手”であることを自ら証明した。

 その楽天戦では来日初登板、初先発となったノリン、さらに9月2日のロッテ戦(メットライフ)では内海哲也を西武初白星に導き、「僕をよく理解し、料理してくれた」(内海)と称賛を得るなど、投手陣との信頼関係も着実に築きつつある。

 9月22日現在、柘植は7試合にスタメンマスクをかぶり、その試合の成績は5勝2敗。捕手争いも激化され、背番号「37」の起爆剤としての存在価値は絶大だ。

写真=BBM
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング