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西武・スパンジェンバーグ チーム浮上のカギを握る助っ人スピードスター/足で魅せる!

 

アグレッシブなプレーが身上のスパンジェンバーグ


 後半戦に入り、俄然存在感を増してきているのがスパンジェンバーグだ。昨季、米マイナー・リーグで28盗塁をマークし、今年1月に行われた入団会見で、「足の速さも強みだ」とアピール。さらに、内外野すべてのポジションを守れ、メジャー・リーグでも一、二番を打っていた実績から、レッズにFA移籍した秋山翔吾に代わる一番として大きな期待がかけられていた。しかし、状態の波が激しく、相性の良い投手であれば複数安打する一方、悪ければ1試合で三振の山を築いた。打率も2割5分未満にとどまり、出塁率もなかなか上がらずに、自慢の足を証明する機会がほとんどなかった。

 しかし、試合数を重ねるにつれ、日本の野球、投手にもアジャストしてきたのだろう。8月に入ってからは、簡単にボール球に手を出さないようになり、四球数が激増。安打もコンスタントに出て、9月29日現在、打率.286、出塁率.336まで上げた。月間出塁率が.382だった8月には4盗塁を決め、徐々に持ち味を発揮しつつある。

 盗塁以上の魅力が走塁の速さだ。二塁打(23)、三塁打(7)ともリーグトップの成績が、その1つの証明だろう。象徴的だったのが、9月9日のオリックス戦(メットライフ)だ。初回の第1打席、一死二、三塁から中堅へ大飛球を放つ。快足を飛ばして一気に三塁へ。さらに次打者・金子侑司の3球目が暴投となると、瞬く間に本塁を駆け抜けた。

 気がつけば打率はチームトップを走っている。チームはここまでなかなか波に乗り切れていないが、辻ライオンズの真骨頂は、足を絡めた隙のない攻撃である。助っ人スピードスターの本領発揮が、上位浮上のカギとなるのは確かだ。

写真=BBM
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