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ソフトバンク・川島慶三 何でもこなす“スペシャリスト”/切り札は俺だ!

 

グラウンドでも、ベンチでも、川島がいることの意味は大きい


 首位を走るチームの代打の切り札であり、対左のスペシャリストでもある。そんな川島慶三が、プロ15年目にして初めて四番に起用された。10月2日の日本ハム戦(PayPayドーム)。練習中に伝えられても「信じてなかった」と笑った。二番・グラシアル、三番・柳田悠岐と五番・中村晃、六番・バレンティンに挟まれ、堂々と四番の仕事を果たして見せた。

 相性のいい左腕・上原健太対策として首脳陣から指名された。初回二死二塁から期待に応える左前への先制適時打。3回には一死一、二塁から四球で好機を広げた。6回にも右前打と四番の重圧をはねのけ、快勝でお立ち台にも上がった。「何よりチームが勝ったことが一番」と笑顔。翌日、四番に座り、V弾を放った柳田が「昨日(川島)慶三さんが四番で結果出していたにもかかわらず、僕が取っちゃったので。慶三さんの分まで仕事しようと思った」と語るぐらい、チームは雰囲気の良さをうかがわせる。

 今季は四番以外にも主に相手左腕が先発の試合(10月15日現在、以下同)に一、二、五、六、九番で先発した。対左投手の打率は.333と“キラー”健在ぶりを発揮している。もちろんベンチに控えていても、代打でひと振り。思い返されるのは8月5日の楽天戦(楽天生命パーク)。9回一死で代打出場し、ノーヒットノーラン投球を続けていた涌井秀章の大記録達成を打ち破る中前打を放った。優勝争いの佳境に向けて、ベテランの存在感は増してくる。

 今季はヤクルト時代の同僚・バレンティンの加入で背番号4を譲り、99でプレーする。10月2日の試合前の円陣では、一軍復帰したバレンティンを“いじる”などチームの盛り上げ役としても一役買う。ワキ役から四番まで担う“スペシャリスト”が、ソフトバンクにはいる。

写真=湯浅芳昭
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