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阪神・近本光司 2年目のジンクスを跳ねのけ虎の顔に/2年目の明暗

 

開幕当初の不振を跳ねのけ、2年連続100安打以上を記録し連続盗塁王目前の近本



 自らの実力で「2年目のジンクス」を跳ねのけた。今シーズンの近本光司阪神のトップバッターとしての立ち位置を明確に示してみせた。

「特に数字を意識することはありませんが、チームのためになるように1本でもヒットを積み重ねたいと思っています」

 シーズン終盤のここにきてプロ入り初の打率3割がかかっている。本人は無意識を強調するが、来シーズンのチーム作りのためにも確固たる数字を残しておきたいところだ。

 矢野監督2年目の目玉プランだった「二番・近本」は、開幕から2試合だけで頓挫した。3試合目から「一番」起用が継続されると攻撃型の持ち味が生きることとなる。

 だが開幕した6月から7月にかけて打率1割台をさまよった。昨年にセ・リーグ新人最多安打を塗り替えた男の評価が下がった時期だったのがそれを乗り越えた。

 本来のバットを短く持ってコンパクトにしっかりと振り込む打撃スタイルに戻し、厳しい攻めにも対抗できるようになり、安打を量産し始め、9月下旬には2割9分台まで上昇してきた。

 10月3日の巨人戦(甲子園)でチームは9年連続のカード負け越しを喫したが、近本自身は2年連続100安打をクリアし、チームの顔に育った。

 阪神の中では、赤星憲広以来の2年連続盗塁王も視野に入っている。「もっともっと打ちたい」という近本は最後までどん欲に打って、走ってのスタイルを貫くつもりだ。
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