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中日・山本拓実投手 再び先発の座を取り戻す/来季こそ主力に

 



 プロ3年目にして開幕ローテを勝ち取った。2度目の登板となった7月1日の阪神戦(ナゴヤドーム)では今季初白星を挙げた。山本拓実は大きな飛躍を期待させたが、その後は勝てなかった。中継ぎに配置転換され、8月13日にはついに二軍落ちした。

 二軍では自らの投球を見つめ直す日々。再起を目指し、変化も求めた。当初はプレートの三塁側に立って投げていたが、二軍で一塁側に立って投げるように変えた。

 山本は「一軍でリリーフに入ったとき、(ボールを)真っすぐ出していくイメージを持つため真ん中に変えたんですけど、ラインがなかなか出てなかったので、それを改善させるために変えました」と意図を説明する。

 もともとインステップで投げるタイプだったため、プレートの三塁側から投げると、無理やり体を回そうとして投球が安定しないことがあった。一塁側であれば、体をスムーズに前に出して、インステップもより効果的になる。

 考え方にも変化があった。「今年一軍で投げて、自分という投手をまだまだ理解できていないと感じました」と言う。

 自分のボールを投げることに精いっぱいになりすぎ、「自分の攻め方、配球、打者との駆け引きの部分が未熟すぎた」と感じた。駆け引きや配球があって、自身のボールも生きる。「その辺りの勉強が必要だなと思いました」と口元を引き締める。

 そうはいってもまだ20歳。来年は大学にいっていれば4年生という年だ。「一つひとつコツコツ取り組んで、来年もう一度、一から開幕ローテーションを目指して、1年間投げられるようにやっていきます」。今季の経験もすべてが、成長の糧となるに違いない。

 残り試合もわずかとなった10月31日に一軍昇格。来季につなげるためにも、成長した姿をアピールしておきたい。

写真=BBM
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