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日本ハム・バーヘイゲン投手 1年目から日本野球にアジャスト!前評判どおりの活躍を披露した右腕/助っ人通信簿

 

シーズンを通して先発ローテを守ったバーヘイゲン


 来日1年目のバーヘイゲンが期待どおり、1年間先発ローテーションを守り切った。常時150キロ台中盤をマークする直球とツーシームを軸に展開するパワフルな投球は日本球界でもアジャストし、十分通用することを示した。直近の登板となった10月28日のオリックス戦(京セラドーム)では来日初完投を初完封で飾った。109球目となった最後のボールは154キロのツーシーム。スタミナ面も申し分なかった。

 シーズン当初は走者を背負った場面での投球が不安視されていた。クイックモーションが苦手で、盗塁をされるケースが目立った。8月16日のロッテ戦(ZOZOマリン)では和田康士朗マーティンに3盗塁ずつを許し、5回途中5失点で無念のKO。メジャー・リーグ以上に機動力でかき回してくる日本の野球に苦しんだ時期もあった。

 それでも地道にクイックモーションの練習に取り組んできた。また、投球動作も一定にならないように工夫するなど、走者に簡単に走られないための意識も向上。そして、走られてもストロングポイントである速くて強さがあるボールを投げ込むことを大事にした。単純に打ち返すことが難しいスピードボールを武器に、徐々に生まれてきた精神的余裕が、シーズン終盤に見せた圧巻の完封劇にもつながった。

 スライダーやカーブという縦変化の変化球も有効的に使うことができてきた。何よりタフな心身で安定して先発ローテーションを任せられる存在は、チームにとっても不可欠な戦力となった。異国で遭遇したコロナ禍にも耐え、日本球界1年目のシーズンを通して見せた成長は頼もしく、助っ人選手の中でNo.1の貢献度でチームを支えた。

写真=BBM
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