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西武・宮川哲 首脳陣からの信頼を得たドラ1右腕/新天地1年目のシーズン

 

新人ながらチーム2位タイの49試合に登板した宮川


 2015年以降、チームのシーズン打率.260以上と、猛打を誇ってきた打線が今季は.238と大きく数字を落とした。その中で、最大借金8、5位の低迷から、一時は単独2位(最終順位3位)に立つまでの巻き返しを見せられたのは投手陣の踏ん張りによるところが大きい。特に中継ぎ陣の安定が今季のチームを支えたと言っても過言ではない。その一角として、宮川哲の存在は大きかった。

 社会人出のルーキーとして「即戦力」での活躍は言わずもがな。当然、本人も自覚は十分だった。しかし、春季キャンプ中もなかなか状態が上がらず、さらに後半に右太ももに張りが生じ、離脱することに。従来どおりの3月開幕であれば、間に合わなかった可能性が高かったが、6月に延期されたことで、開幕から万全の状態で挑むことができた。

 序盤こそ、勝敗がほぼ決したビハインドや大差のリードでの登板がメーンだったが、シーズンが進むにつれ、ワンポイントや回またぎなど、僅差の場面や要所での起用が増えていった。例えばビハインドであっても勝利が想定できる展開では、いの一番に投入され、豪快な投球で相手打者を翻弄し、勝利を手繰り寄せることもしばしばあった。

 入団初日から「ルーキーに見えない」と球団関係者が声をそろえたほどの貫禄ある風貌から、一見コワモテに見えるが、「極度の人見知りで、慣れてきたら、かまってちゃん」との自己分析どおり、今ではすっかりと周囲にも馴染み、試合外では先輩投手らに囲まれ人懐っこい笑顔も日々見せている。新人にして平良に次ぐチーム2位タイの49試合に登板、2勝1敗13ホールドの実績を作った。首脳陣、野手陣からの信頼も得られたことで、2年目の来季は、さらに“らしさ”を爆発されてくれるだろう。

写真=BBM
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