最終戦となった11月11日の
広島戦(マツダ広島)での登板はなかった。それでも30ホールドポイントで祖父江大輔投手が、チームメートの福、
ヤクルトの清水とともに最優秀中継ぎの初タイトルを手にした。
「うれしいです。野手の人に助けられたのが多いので感謝したいですし、使ってくれた監督、コーチに感謝したいです」
謙虚な言葉を口にしたが、今シーズンの活躍は見事だった。福と
R.マルティネスとともに勝利の方程式を結成。3人を中心に、6回終了時にリードしていると、チームは37連勝という驚きの数字も残した。
祖父江自身は自身最多タイとなる54試合に登板し、2勝3セーブ、28ホールドで防御率は1.79。開幕が延期された自主練習期間中に、「いろいろなことに挑戦できた」と振り返ったように、
シュートを習得したことが大きかった。得意のスライダーとは逆に曲がるボールで投球の幅が広がり、進化を遂げた。
チームは8年ぶりAクラス。自身は初タイトル獲得など好成績を残し、オフには当然ながら年俸大幅アップが見込まれる。
44試合に登板した昨年は、1度目の契約交渉でダウン提示に対し保留。元々の推定年俸が違ったこともあったが、大リーグ・カブスでプレーするダルビッシュが「(中日の)評価基準を知りたい」などツイートし、大きな話題となった。
2回目の交渉では1回目と同じ提示の100万円ダウンの年俸3400万円(推定)でサイン。「大事なところでやられたり、開幕のときは8回を投げていたのに、チャンスをつかめなかった」とコメントしたものだった。
あれから1年。今オフはほぼ倍増の7000万円(推定)でサイン。納得の表情を見せた。
写真=BBM