週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

DeNA・宮崎敏郎 打撃職人からチームの中心へ/増した責任感

 

梶谷がFA移籍となれば、まとめ役としてさらにチーム内での責任感は増す


 多様な役割をこなし、貫禄の3割超えだ。「ケガをしないように、1年間を通してやっていきたい」。昨年12月の契約交渉。宮崎敏郎はシンプルに目標設定した。有言実行。120試合の変則シーズンで113試合に出場し、自身2年ぶりとなる打率3割超え、14本塁打、53打点の成績を残した。「野球がうまくなりたいし、なれると信じて練習する」と常に向上を意識する努力家。すでに横浜スタジアムや球団施設を活用し、筋力トレーニングなどで来季へ向けての歩みを始めている。

 ともに中軸を務めた筒香嘉智が抜け、チームとして真価が問われる1年だった。後釜で四番と左翼、主将の肩書きを背負うことになった佐野恵太は昨年まで代打が中心。ソトやロペス、オースティンらと若き主砲を支えることが期待された。開幕した6月は10試合で打率.459。3、4月の27試合で打率.165だった昨年から見事な巻き返しだった。開幕時の六番から五番に上がってもそれは同じ。8月2日の阪神戦(甲子園)では今季初の二番を務めた。「どの打順に入っても、スタイルを変えなくていい」と助言したのはラミレス監督。五番での打率.293が最低で、三番を含めた4つの打順で安定した働きをみせた。

 年間で1度も打率3割を切ることがなく、460打席でわずか29三振。「練習の1球目で、その日が決まるぐらいの気持ちでやる」と打撃練習の初球からフルスイングすることをルーティンとし、確固たる地位を築き上げてきた。三浦大輔新監督が率いる新生DeNA。精神的支柱だった石川雄洋やロペスが退団し、国内FA権を行使した同級生の梶谷隆幸も移籍の可能性が高い。今月12日で32歳。打撃職人の存在感は増すばかりだ。

写真=BBM
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング