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日本ハム・栗山英樹監督 緊張感を持って原点回帰へ/指揮官が見据える2021

 

就任10年目の節目のシーズンは初心にかえってチームの建て直しを図る


 栗山英樹監督は2021年シーズンで就任10年目を迎える。「とにかく原点回帰。来年は、そこに向かう」。連続在任年数では、すでに球団最長。日本一1回、リーグ優勝2回と結果も残してきたが、現状は2年連続で5位に沈んだ。チームの立て直しへ、選手に対してだけでなく、自身に求めるのは「緊張感」だ。初心にかえる。12月6日に札幌ドームで行われたファンフェスティバル終了後に、原点を思い返していた。

「(11年オフに)監督になってファンフェスで初めてスーツであいさつさせてもらった、あの緊張感は、今でも忘れない。そこに、自分がかえれるかがテーマ。1年目以上に緊張感を持てるようにしたい」

 指導者経験なしで現場の棟梁となり、無我夢中で選手を引っ張った就任1年目は、いきなりリーグ優勝を果たした。血の入れ替えが激しい組織の中で、選手のために尽くす根底は変わらないが、勝つ組織になるために必要な、選手の意識向上へのアプローチ法も原点に戻す。

「選手たちにやってほしいことは、はっきりと口にしていく。それはやっぱり必要だと思った。本当の愛情って何なんだって去年も考えたけど、まだ足りない。厳しさも含めて」

 近年は栗山監督が選手に直接、物事を訴えることは少なかった。コーチを介して伝えることはあっても、あえて距離を置き、選手の“気づき”を待つ姿勢だった。それは選手起用でも同様だったが、2021年は「ダメなものはダメ、いいものはいい。とにかく表現していく」。長く指揮を執り続けることのメリット、デメリットは双方ある。他球団の監督と比べて蓄積された経験値が最もあることも事実。覚悟を持って節目のシーズンへ向かう。
写真=高原由佳
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