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ヤクルト・高橋奎二 勝負の6年目に挑む/新年の決意

 

チームとして頂点を目指す


 秘めている才能は、こんなものではない。将来を嘱望されている左腕にとって、2020年はもどかしさが残った1年になった。高橋奎二は5年目のシーズンを終え、「『やってやるぞ』という思いを持ってやっていので、成績を見れば思ったようにいかず、苦しいシーズンになったと思います」と唇をかんだ。

 大きな期待をかけられていることを知っていたからこそ、自分自身のふがいなさも感じている。2019年は20試合に登板してキャリアハイの4勝(6敗)を挙げ、20年は先発ローテーションを守る大事な戦力となるはずだった。だが、調子が上がらずに開幕一軍入りを逃すと、故障も絡み10試合の登板で1勝3敗、防御率3.94。「いい経験をさせてもらったのに、その経験をいかせなかった。技術面がまだまだダメだと思いました」と反省が口をついた。

 だが、先発左腕として150キロを超える直球を投げられることは大きな魅力だ。シーズン中には40歳左腕・石川雅規からの助言もあって、右脚を高く上げる独特の“ライアンフォーム”を封印。変化を恐れず、挑戦した。7月30日の阪神戦(神宮)では、自己最長の8回を投げ3安打無失点と好投。今季はこの1勝のみに終わったが、力強い速球で押す投球スタイルで1年間投げぬくことができれば、結果は必ずついてくる。

 21年は高卒6年目で、5月には24歳となる「年男」だ。さらに、1月5日には、タレントの板野友美さんとの結婚を発表。「毎年『2ケタ勝利』と言っているんですけど、そんな甘いものじゃないとここ2年で分かった。しっかりローテーションを守り切るということを目標にやっていきたい」。再出発のシーズンとなる来季、悔しさを晴らし、再び神宮のマウンドで輝く。

写真=BBM
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