鈴木誠也にとって「150号」は通過点に過ぎないだろう。2020年は25本塁打を放ち、通算の大台まで残り6と迫った。故障さえなければ、21年序盤には達成する見込みだ。
20年は開幕から主に四番に座り、主砲としてチームをけん引した。自身にとって最終戦となった11月10日の
ヤクルト戦(神宮)では一番で出場し、3打数3安打の固め打ち。球団初となる5年連続の3割台に到達した。
鈴木誠は「歴代の先輩方を超せたというのはうれしいこと。今後も伸ばしていけるようにしっかりやっていきたい」と語った。
球史に名を刻んだ。過去に5年連続3割&25発をマークしたのは
王貞治(元
巨人)、
落合博満(
ロッテ、
中日時代)、
小笠原道大(
日本ハム、巨人時代)の3人のみ。球界のレジェンドに肩を並べた。「うれしいですけど、いろんな方のサポートがあってここまでやれている。感謝をしながらこれからもしっかりレベルアップできるように頑張りたい」と向上心は尽きない。
求めるレベル、求められるレベルが高いからこそ、順風満帆なシーズンとはいえなかった。三冠王を周囲から期待されて臨んだ20年だったが、打率はリーグ8位、本塁打数は同5位、75打点は同7位。打撃に苦しんだ時期もあり、「いろいろ引き出しがはまらなかったということがあった。悪いときにどういう引き出しを見つけて、どう来年に生かしていくかというところだと思う」と、21年への巻き返しを誓った。
1年目の13年から年々着実に出場機会を増やし、成績を積み重ねてきた。「若い選手が主力になって出ないといけなくなってくると思う。しっかり僕も含めてやっていけたらなと思います」。チームファーストの精神で、V奪回、そして自らの記録を塗り替えていく。
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