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中日・田島慎二投手 100ホールド目前も手術で登板なし/節目の記録を見据えて

 


 本来ならば、すでに節目はクリアしているはずだった。4月に右肘の内側側副靱帯再建術(通称トミー・ジョン手術)を受けた田島慎二。9年目で初の登板なしに終わったシーズンを振り返り、「手術を決めた時点で今年は投げられないことは分かっていたので」と淡々と話した。

 2019年までの8年間で385試合に登板し、22勝33敗75セーブ、97ホールド。400試合登板も100ホールドも射程に捉えていた。しかし、2月にキャンプ中盤の練習試合で右肘の筋肉を痛めて離脱。ノースローにしても痛みは引かず、メスを入れることを決断した。

 リハビリ生活を送る間に救援陣を巡る状況は大きく変わった。祖父江、福、R.マルティネスが勝利の方程式を構成し、6回終了時にリードした試合は37連勝。自身が新人だった12年以来、8年ぶりのAクラスとなる3位躍進の原動力となった。「後ろが安定すればチームは強いとあらためて感じた」。客観的に眺め、冷静に分析する。

 10月中旬にブルペンでの立ち投げを再開。「プラン通りには来ている。間違いなく日に日に良くなっています」。表情にも明るさが戻ってきた。「勝ちパターンの投手にもう1人、2人加わることでさらに安定する。そこに来年は入っていかないといけない。ちゃんと自分もいるんだぞと。その3人にもプレッシャーをかけていきたい」と意気込む。

 与田監督も「大きなけが人を出さないようにできれば2パターンぐらいつくれれば」と勝利の方程式の拡充を求める。挑む立場なのは分かっている。16〜18年には抑えも務めた経験豊富な右腕。早い段階で節目をクリアできれば、救援陣の層は厚くなる。

写真=BBM

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