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ソフトバンク・和田 毅 衰えることのない向上心が原動力/最年長の意地

 

40歳のシーズンも、まず和田が狙うは開幕先発ローテーション入りだ


『松坂世代』と呼ばれる強い絆で結ばれた同級生たちが、2020年もユニフォームを脱いだ。阪神藤川球児らが引退し、現役は松坂大輔西武)と和田毅だけに。和田は「やり残すことなく野球をやめられるのが幸せ。完全燃焼できるように」と残された現役人生への決意を込めた。チーム最年長は、2月のキャンプ中に区切りの40歳の誕生日を迎える。

 球団からは最大級のバックアップを受けた。昨季は選手層の厚いソフトバンクの中にあって、先発ローテーションの一角として16試合に登板。8勝1敗、防御率2.94と復活を印象づけ、オフにはベテランでは異例の2年契約を新たに結んだ。「40歳まで第一線でやるというのが入団時の大きな目標だったけど、叶えられそうになった。複数年でも1年1年が勝負。身を引き締めたい」。複数年契約に甘える気持ちは微塵もない。

 不惑を目前にしても衰えることのない向上心が原動力にもなる。昨年12月には同級生で元同僚の杉内俊哉巨人一軍投手コーチ)とともに豪雨被害を受けた熊本県人吉市の球磨川流域を訪れ、子どもたちと触れ合った。将来の夢をテーマにした課外授業を行い、自らの夢を「完全試合を達成する!」と色紙に書き込んだ。「投手なら誰しも夢見ること。まずは9回を投げないと。完投もできていないので」。先発投手として「先発完投」の理想を追い続ける。

 現役生活を長くともにした小久保裕紀ヘッドコーチも加わり、最年長としての役割も自覚する。「投手陣の雰囲気が悪いときは、僕が怒られる。それはありがたいことだし、それを若い投手に言うこともできる」。5年連続の日本一へ――。常勝軍団に欠かすことのできない左腕は21年もチームのために腕を振る。

写真=BBM
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