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ソフトバンク・中村 晃 「優勝したからオッケーではない」選手会長が示した高い意識/リーダーの決意

 

以前から口にする「全試合出場」への思い。中村晃は開幕に向けてしっかりと準備を進めている


 先頭に立って戦ったからこそ分かったこともある。中村晃は選手会長に就任した昨季、自律神経失調症やヒザの不安を抱えながらもリーグV奪回と4年連続の日本一に導いた。コロナ禍でのシーズンは、グラウンド以外でもリーダーとしての役目を果たした。「勝ちたいという気持ちが、より一層増えた」と振り返る。今季も常勝軍団を引っ張る決意を固めた。

 目指すのは出塁率4割だ。どんな打順でも対応できる好打者は、塁に出ることでチームの得点力を引き上げる。「やっぱり4割です。出塁率が大事。打率2割7分でも出塁率が4割あれば納得いくシーズンと言えると思う」。2016年に一度だけ届いた大台(.416)。「(昨季の)序盤、中盤は結構、淡泊な攻撃ばかりだった。そこは課題にしていかないと。優勝したからオッケーではない」と力強く言い切った。

 自主トレからリーダーとして若手を盛り上げた。1月は長崎で、昨季ブレークしたプロ7年目の栗原陵矢や2年目の柳町達らと汗を流した。自らトスを上げ、アドバイスを送る姿も。ホークス一筋14年目。初めてファンのいないキャンプインを迎える。「ファンの方がいない中での練習は残念。シーズンになって見に来られる状況になれれば」と選手たちの思いを代弁した。

 過去2年は開幕を二軍で迎えたが、21年は順調に調整を進めており、17年以来の全試合出場も視野に入れる。昨季は一塁手としてゴールデン・グラブ賞を初受賞。本職の外野での受賞も狙っていく。グラウンドに立ち続け、成績を残すことが選手会長として最大の責務でもある。「全試合は出たい。開幕戦も2年ぐらい出ていない。もう一度、しっかり出られる準備をしたい」。意識の高いリーダーが5年連続日本一の旗手となる。

写真=湯浅芳昭
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