進化を遂げている。オリックス高卒2年目の紅林弘太郎が、2月9日の紅白戦でチーム第1号アーチを放った。
紅組の「三番・遊撃」で出場して迎えた初回、無死一、二塁の第1打席。カウント1−2からの4球目、内角145キロの直球を振り抜いた。
今季初実戦初打席での先制3ランを「良い打球でした。変化球をケアして(ガツンと)食らいつけた。外構えの内に入ってきた真っすぐです」と振り返る。
スケールの大きな夢を持つ。
「メジャーのミゲル・
カブレラ選手、知ってますか? 。僕の完成形です。(MLB現役唯一の)三冠王。シンプルに強い打撃を意識してます」
昨オフに「長打が自分の長所だと思った」と、打撃フォーム改良を決めた。「あこがれに近づくために」とメジャー通算487本塁打を誇る「教科書」をマネた新打撃フォームに「結構、威圧感があって良いかなと」と高卒2年目はマスク越しに笑う。
パワーの向上にも成功した。「今、95キロです。(入団から)11キロ増えました。1日4食。朝いっぱい食べます。鶏肉をめっちゃ食べます。(宮崎では)丸万(焼鳥)をテイクアウトしています」と箸を休めない。
愛称「ベニー」が定着した紅林は、今キャンプでの置きティーではゾーンを高めいっぱいに設定。「インハイに対して(左)ヒジを抜いて、内からバットを出して(ヘッドを下げて)タテから抜く」ことを意識する。紅白戦での一発で、答えは出た。次なるステップは「逆方向にもスタンドインできるように」と頼もしい。
中嶋聡監督は「なんちゃって
中田翔(
日本ハム)みたい。構え、おかしいよと言ったら、鏡を見て『あれ? 格好悪い……』って笑っていたよ」と冗談を言うも「どこかで(カベに)ぶつかったとき、答えはこっちで用意する」と19歳の長距離砲の挑戦を指揮官も後押しする。
写真=BBM