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日本ハム・今川優馬 豪快なフルスイングで1年目から勝負/新天地に懸ける

 

ファンだった憧れのチームの一員になり全力で持ち味を発揮する


 ルーキー・今川優馬は、ちゃめっ気たっぷりに言った。「何だかファンが紛れ込んでいる気持ちです。ずっと興奮しています」。北海道札幌市出身の外野手は、生粋のファイターズファン。小学5年生の時にファンクラブにも入会し、札幌ドームで多くの試合を観戦した。昨年のドラフト会議で6位指名されると涙を流し、指名あいさつの席でファンクラブ会員継続を認められて笑顔。そして初のキャンプは一軍でスタートした。

 努力を重ねて、夢をかなえた。高校では控え、大学でも3年春が始まる時点ではベンチすら入れなかった。それでも目指す舞台はプロ野球に変わりはなかった。自らの長所となる豪快なフルスイングで圧倒的な打球を追求し、社会人へ進んでもより磨きをかけた。バットは中田翔モデル。キャンプ中に本人から本物をもらうと「中田さんに1本、もらっちゃいました。興奮しています」。初実戦となった2月7日の紅白戦では、そのバットで初打席の初球を右中間へ運び、二塁打とした。

 プロ野球選手になる夢の原点となったチームで、即戦力としての期待がかかっている。長打力不足が課題の打線において、今川の長所は大いに生きる可能性がある。栗山英樹監督も紅白戦での二塁打に「初球から捉えられたことが素晴らしい」と思い切りのいいフルスイングに笑みを浮かべた。

 21日、中日との練習試合では2安打2打点を挙げたが、23日からは二軍合流となった。今年で24歳となるルーキーは1年目から勝負と自負している。感動の毎日の中でも「そこで目立たないと、これから試合にも出られないと思う。臆することなく全力で持ち味を発揮できたら」と汗を流す。夢を現実にした男は、夢を与える存在となるべく努力を続ける。
写真=BBM
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