日本ハムの正遊撃手候補に新星が現れた。高卒２年目の上野響平が春季キャンプで首脳陣の評価を急上昇させた。「自分のウリは守備だと思っている」と自負する通り、２月20日に行われた楽天との練習試合では守備で大きくアピールした。

　９回一死二塁の場面で中前へ抜けそうな強烈な打球に素早く反応。難なく捕球すると、勢いに身を任せながらも的確な一塁送球で２アウト目を奪った。その３日後にプロ入り後初めて一軍昇格を勝ち取った。打撃でもミート力に加え、体重増で打球の鋭さも増した。栗山英樹監督も「上野は難しい打球をしっかりさばいて、打席でも非常にいい内容。一発回答」と遊撃レギュラー争いに参戦させることを決めた。

　一軍初合流となった23日は「硬い部分もあったけど、１日とおしていい練習だったり、試合でもいろんな選手のプレーが見れたり。自分の収穫はすごく大きかったと思います」と初々しく振り返ったが、自らの立ち位置も理解して謙虚に誓った。「まずは守備で一軍の選手より劣っているということがないように」。

　ルーキーイヤーの昨季もキャンプ中に一軍の練習試合に呼ばれたこともあったが、プロのスピードや一軍の雰囲気に緊張していた。「１年間プロで戦って、今年のキャンプでは、いつもどおりの自分が出せている。そこの緊張感は少しはマシになったかなと思う」と、たくましさも増した。

　開幕一軍を目指すスタートに立った。「いつもどおりのプレーをすれば、守備は強みがあると思っている。落ち着いて気負わずにやっていきたい」。昨季は定まらなかった遊撃のポジションを19歳のダークホースが虎視眈々と狙う。
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