辻発彦監督が「競争意識の向上」を今季のテーマに掲げている中、さっそく存在感をアピールしているのがドラフト6位ルーキーのブランドンだ。大卒選手だけに即戦力としての期待も高く、春季キャンプはA班入り。キャンプイン前は「周りがすごい選手ばかりで緊張すると思う。気疲れしてしまうかも」と不安を少々のぞかせていたが、始まってみれば何のその。序盤から持ち味であるフルスイングとパンチ力を十分に発揮し、首脳陣から一目置かれる存在となった。
2月11日に行われたシート打撃では、
松本航の直球をレフトスタンドへ運び、猛アピール。さらに、同23日の今季初の対外試合、
ソフトバンク戦(宮崎アイビー)では「八番・三塁」で先発出場し、その第1打席で
杉山一樹から見事に2ランホームランを放ち、一躍注目の的となった。
また、打撃だけではない。三塁守備もそつなくこなしており、
源田壮亮、
外崎修汰ら名手をお手本に、技術はさらに成長中だ。
三塁レギュラーの
中村剛也は負傷のため、
スパンジェンバーグは新型コロナウイルスの影響で合流の見通しが立たず、ドラフト1位の
渡部健人も故障で調整が遅れていることを考えれば、開幕一軍は十分視野に入ってきた。
とはいえ、簡単にはレギュラーがつかめないのがプロの世界である。同27日からは、B班でキャンプをスタートさせた、同じ三塁の定位置を狙う
佐藤龍世が一軍に合流した。佐藤は2019年に52試合出場、打率.220、2本塁打、7打点と経験を積んでおり、球団からの期待値も高い。3月に入り、いよいよオープン戦も始まった。9日現在、ブランドンは?試合に出場して8打数2安打、打率.250。開幕スタメンの座を射止めるためには、ここからが本格勝負だ。「このままどんどんアピールして、開幕一軍スタートできるように頑張ります!」と誓うブランドンに注目だ。
写真=BBM