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楽天・辰己涼介 指揮官も評価する俊足の一番候補/春の一番星を探して

 

今季こそブレークする


 迷いはなかった。阪神との練習試合(2月16日、宜野座)。一番・右翼で先発出場した辰己涼介が、相手先発・秋山の投じた外角直球に反応した。コンパクトに、だが力強く振り切ると、白球は左翼席前列で弾んだ。6、8回にはともに右前へ安打を放って3打数3安打の大暴れ。「やりたい打撃ができました」と充実感をにじませた。

 対外試合初戦となった2月13日のロッテとの練習試合(金武)では3打数2安打。キャンプ中の実戦では全5試合にリードオフマンとして起用され、14打数6安打と結果を残した。

 今季からGM兼任でチームを指揮する石井監督は春季キャンプのMVPに2019年のドラフト1位外野手を選出。「すごくしっかり練習に取り組んでいて、また、結果も出ている。非常に明るい感じでやっているので、そのままシーズンに突入してほしいなと思いますね」と期待を寄せた。

 ルーキーだった2019年は124試合に出場し打率.229。さらなる活躍が期待された昨季は104試合に出場し打率.223、8本塁打。パワーは光るものを感じさせたが、打撃では粗さも目立った。その反省を生かし、オフの自主トレではトレーニングコーチでもある小山光久氏に師事。勝負の3年目へ向け、さらなる進化を目指してきた。

「昨年はちょっとあたふたしてるところが彼から見えたんですけど、今年は本当に落ち着いたプレーをしてる」と石井監督も一定の評価を与えた。守備範囲の広さではチーム随一。2年間で24盗塁をマークした俊足も光る。課題の打撃で確実性をアップさせ、不動のレギュラーの座をつかみ取る。

写真=BBM
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