3年連続規定打席に乗り、昨季は自身初の打率3割を達成した。10年目を迎える高橋周平に打撃タイトル獲得の期待がかかるのは自然なことだろう。
確かな技術もみせた。3月6日の
楽天とのオープン戦(バンテリンドームナゴヤ)。マウンドには米国帰りの
田中将大。6回二死二塁。カウント1ボール2ストライク。伝家の宝刀スプリットがストライクゾーンからボールゾーンへ沈む。態勢はやや崩されながらもうまくバットを合わせた。打球はライナーで中前へ。適時打になった。
「追い込まれていたので球種は問わなかったです。何とか良いところに落ちてくれましたね。あれだけすごくて実績もあるピッチャー。存在感が大きかった」。日米通算177勝右腕相手に高い技術力を見せた打席となった。
オフには毎年恒例となっている大島と自主トレと敢行。今年は特にウエート・トレーニングなどパワー系の種目に力を入れてきた。「スクワットが180キロで前よりも20キロ上がるようになったし良かったですね」。
1月の時点で体重は98キロ。「どうせシーズン入ったら少し減ってしまうのでね。100キロいきたかったな」。持ち前のバットコントロールに力強さを加えるのが今年のテーマ。トレーニングを見守った大島も「かなり振るためのパワーがついている。出力が上がっていますよ。これまで10割で振って出た打球が8割でも打てると思う」と太鼓判を押す。シーズンで安定して強い打球が打てれば、さらに打率は上がっていくだろう。
「優勝することが目標なので、そのためにできることをやっていきたい」。チームを勝たせるためには高橋が打つしかない。オープン戦は最後の7試合で25打数9安打。「開幕に向けてしっかりと準備ができた」と頼もしい。
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