支配下登録されてから2年目を迎えた和田康士朗は、石垣島キャンプから徹底的にバットを振り込んだ。
「一番の課題は打撃なので、克服していきたい」
昨季は「代走のスペシャリスト」として、リーグ3位の23盗塁をマークした韋駄天だが、ここまで集中して取り組んできたのは打撃だった。
それは自慢の快足を生かすためにも、自分で出塁するための打力を身につけるためだった。細身だが、昨季まではフルスイングを持ち味としていた。そんなスタイルも今年は少し変わった。「フリー打撃とかで逆方向が増えてきた」と振り返る。
盗塁数を増やすためには、代走だけでは厳しい。昨季は71試合に出場したが、スタメンは14試合だけ。出場機会を増やすためには、足を生かした打撃を身につけるのが、必要と考えたのだ。
「内野安打を増やしたい」
当然の思考だった。
「一番は出塁しないと意味がないので、追い込まれてからしっかりとバットに当てて、塁に出ることをやっていきたい」
昨季リーグトップの
ソフトバンク・
周東佑京は50盗塁、同2位の
日本ハム・
西川遥輝は42盗塁を記録した。その差は大きいが、2人はレギュラーとしてフル回転。和田がレギュラーに近い存在となれば、その差を埋めることも不可能ではない。
「盗塁で、しっかりと勝負していきたい。今年(2020年)の盗塁を超えられるように頑張りたい」
周囲からの期待も高まっている。春季キャンプを視察した侍ジャパンの
稲葉篤紀監督も「日本代表になれる可能性もある」と熱視線を送った。
和田が打力アップに成功すれば、盗塁王のタイトルも一気に見えてきそうだ。
写真=BBM