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西武・金子侑司 スピードを生かした外野守備で今年こそゴールデン・グラブ賞を!/目指せ! 初タイトル

 

脚力を生かした広い守備範囲を誇る金子


 一昨年に自己最多の133試合に出場し、2度目の盗塁王を獲得した金子侑司。チームもリーグ2連覇を果たすなど充実のシーズンを過ごした。ただ、唯一心残りだったのがゴールデン・グラブ(GG)賞を取り逃したことだった。

 この年、左翼で113試合に先発出場した金子は、俊足を生かした圧倒的な守備範囲の広さで何度も安打性の当たりをアウトにし、守備でも優勝に大きく貢献した。にもかかわらず、“守備”にフォーカスした賞であるはずのGG賞に金子の名前はなかった。この結果に辻発彦監督やコーチ陣、野球精通者、さらにはファンからも疑問の声が大噴出。投票者の記名義務を求める声や、『守備力を評価する賞』というGG賞の持つ意義をあらためて広く問い掛ける機会にもなった。

 その金子は広い守備範囲を買われ、昨季から中堅へと定位置が変更された。同じ外野とはいえ、視野、打球の到達時間、走る距離など、違いは多々ある。自身が故障で1カ月以上、戦線離脱したこともあり、慣れるのに時間がかったことは否めなかった。最も難しさを感じたのが、「距離感の違い」だったという。左翼は打球到達が早いため、多くの場合はトップスピードになる前に捕球していたが、中堅は全力で追うことが多く、「無理だと思っていたら追いつけちゃって、慌ててグラブを出したけど捕れなかったりということもありました」。自身のトップスピードとの折り合いが中堅手2年目のテーマとなりそうだ。

 昨季終了後、「守備に関しては、来年、本当に、本当に見ていてください。必ずやります!」と力強くリベンジを誓ったスピードスター。中堅でこそ存分に生きるその脚力を武器に、数字でも印象でも、誰もが認めざるを得ない守備を披露し、満場一致でGG賞に選ばれてほしいものだ。

写真=BBM
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