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ヤクルト・元山飛優 不屈の肝っ玉ルーキー/レギュラー争いダークホース

 

積極的にアピールする元山


 狙うのは一つ。正遊撃手のポジションだ。ドラフト4位・元山飛優がアピールを続けている。一軍キャンプでは、紅白戦も含めた実戦8試合で19打数7安打の打率.368。課題だった打撃も、レジェンドと名伯楽の教えで変化を見せている。

 取り組んでいるのは、インパクトの瞬間に上半身と下半身を逆方向にひねる「ツイスト打法」。大学4年時に個人的に取り入れ「難しかったコースへの対応がしやすくなって、ヘッドの走りも余分な力がいらない」と好感触を得ていたが、まだ不完全な部分も多かった。

 助言を受けたのが、通算2173安打で“小さな大打者”と呼ばれ、キャンプで臨時コーチを務めた若松勉氏と、内川聖一山田哲人らを育てた杉村繁打撃コーチだった。「若松さんと杉村さんの知識を入れてもらって正しいツイスト打法をやっています」。打球に力強さが増し、徐々に結果にも表れてきた。

 自信のあった守備面も、基礎から学んだ。これまでは、打球に対して前に突っ込んで捕球していたが、「それではアカンってプロに入ってから分かった。今は体全部をグラブだと思う意識でやっています」。両足を開いて股を割り、緩いゴロを捕球する練習を繰り返した。

 正遊撃手の本命は、8年目の西浦直亨だろう。それでも、背番号6をつけたルーキーは「レギュラーの座を目指して頑張っていきます」と宣言。高津臣吾監督は「打つのももちろんですけど、しっかり守れてショートだと思う。大事なポジションだと思うので、しっかり競争してくれたら」と期待した。アピールポイントは「どんなことにもへこたれない精神力」。がむしゃらにその座を奪う。

写真=大泉謙也
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