オープン戦も終盤の3月16日。名称変更後、初のシーズンとなる本拠地バンテリンドームナゴヤのマウンドには鈴木博志が立っていた。6回に二番手で登板。二死満塁のピンチを招くも、
ウィーラーを148キロの速球で投ゴロにねじ伏せた。これで対外試合8戦連続無失点とし、10戦連続まで伸ばした。
「ヒジの位置を下げるフォームに変えました。まず新しいフォームでしっかり投げられるかどうか。強くてキレのあるボールを意識しています。自分のポジションをつかみ取るために、コツコツ頑張ります」
2018年にドラフト1位で入団した。ルーキーイヤーこそ53試合に登板したものの、2年目は25試合、昨季は6試合に終わった。
転機は昨年10月上旬だった。本拠地での一軍練習に呼ばれた。与田監督から「下半身が横軸で動いている。ちょっと腕を下げたらどうだ」と勧められた。オフではなく、シーズン中。フォームに対して疑心暗鬼だった右腕は「やるしかない」。覚悟を決めた。ウエスタン・リーグ、秋季教育リーグ「みやざきフェ
ニックス・リーグ」でも新フォームで投げた。一定の手応えを得て、春季キャンプは一軍組。アピールを続けた。
指揮官も成長に目を見張る。「試合中の修正が速い。いつでもストライクを取れるようになった」と評価している。
守護神不在で開幕を迎えるから、勝ちパターンを担いたい。
R.マルティネスはキューバリーグ後に来日。自主隔離期間をへて3月に入ってから練習を再開し、開幕一軍ベンチからは外れている。
広島との開幕カードは中継ぎとして2試合に登板し、落ち着いたマウンドさばきで無得点に抑えた。24歳になったドライチ右腕も、もう4年目。今年はなりふり構わず投げまくる。
写真=BBM