背番号44・頓宮裕真が開幕マスクを狙った。持ち味の打撃力をアピールし、正妻をつかみ取りつつある。
3月3日、
ロッテとのオープン戦(京セラドーム)では亜大時代の同期・
中村稔弥から2ランを左翼席に運び「感触は良かった。(同期に)抑えられるよりは打てたほうがいい。開幕マスクをしっかり狙っていきます」と力強く語り、同8日の
DeNAとのオープン戦(横浜)では、
上茶谷大河のスライダーを逆方向の右翼席に逆風を切り裂いて運んだ。
怪力パワーを見せつけ「今までなかなか変化球を向こう(右翼席)に打つのは感覚的にもなかった」と自信を深めれば、同13日の
巨人とのオープン戦(京セラドーム)では、幼なじみを救う一打。1点を追う8回二死二塁から巨人・
桜井俊貴のカーブを捉えると、一時は試合をひっくり返す逆転2ランに。同26日の
西武との開幕戦(メットライフ)で、バッテリーを組んだ
山本由伸の黒星消した。
山本とは岡山・備前市の実家が隣同士の間柄。「びぜん特別観光大使」にも2人で任命されている。幼いころは2歳年下の山本から「ゆうま君」と慕われ、小学時代は同じチームで白球を追いかけた。入団当時の目標だった“ご近所バッテリー”で、2021年のスタートを切った。
中嶋監督は「開幕は独特ですから、それなりに緊張もするでしょうし。そこにも準備しないといけない。自分たちの気持ちが盛り上がって、空回りしないようにやってほしいなと思います」と見守った。
開幕戦は3対4で敗れたが、3点を追う7回に、右翌席へ追撃のソロ本塁打。攻守で、24歳の正妻候補が存在感を示した。
新人年の19年は三塁で開幕スタメンに名を連ねたが、一昨年途中から捕手に再転向。努力が実る瞬間が、やってくる。
写真=BBM