本領発揮となるか。T.ビエイラが日本球界2年目の開幕を迎える。“キャリア最速167キロ右腕”が進化を予感させている。
3月16日の
オリックスとのオープン戦(京セラドーム)では、7回に登板し、155キロを計測するなど1回無失点。8回を投げた新クローザーの
中川皓太へつなぎ、
宮本和知投手チーフコーチは「ビエイラも課題の制球が安定してきた。リードしているところで(本番では)8回、9回を(中川と)2人でいきたい」とビエイラに勝利の方程式の一角を任せる意向を示した。
昨季、シーズン前半は制球力が課題で二軍降格も経験したが、安定感が出た後半は一軍に定着。通算27試合に投げ、0勝1敗2ホールド、防御率3.28とまずまずの成績を残した。日本野球への順応を後押ししたのは“スリム化”だ。昨年の来日時は130キロ(身長193センチ)だった体重は、食事制限などで11月のシーズン終了時に114キロまで絞られたという。
母国・ブラジルでのオフを経て、1月20日の来日時はほぼベスト体重という118キロ。「コンディション、フィジカル的にはかなりいい状態で日本に戻ってこれたと思います」と、春季キャンプでは外国人勢でブルペンに一番乗りするなど、昨季以上の仕上がりを示している。
昨年の日本シリーズでは、来日後の最速164キロを計測した。「限界はないと思っています。スピードも、もっともっと出ると思う」と
日本ハム時代の
大谷翔平(現エンゼルス)が記録したNPB最速165キロ超えにも自信を見せる。
まだまだ伸びしろがあり、将来性も評価されて来日した28歳の剛腕が、大きく化けるかもしれない。
写真=BBM