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巨人・亀井善行外野手 プロ野球史上初の開幕戦代打サヨナラ弾。球団最年長の仕事人/生え抜きの輝き

 

3月26日の開幕戦でサヨナラホームランを放った亀井善行


 巨人一筋17年目。若手が台頭しようとも、新戦力が加わろうとも、亀井善行はチームに欠かせない。今季は“必殺仕事人”として、勝負強さを発揮する覚悟だ。

「レギュラーへの意識は多少薄いかもしれないですけど(笑)、困ったときに『亀井がいる』って言っていただけるほうが僕はうれしい。(原辰徳)監督に言われたところで仕事をこなすのが、僕の仕事だと思っています」

 昨年限りで岩隈久志が現役を引退し、同学年で39歳の中島宏之とともにチーム最年長選手となった。2004年ドラフト4位でプロ入りし、若手・中堅時代は故障が続きレギュラー定着はならなかった。だが18、19年と2年連続で規定打席に到達(通算3度)。昨季は55試合の出場にとどまったがベテランの域に入ってから輝きを増している。

 主力中心のS班で過ごした今春のキャンプでは、長年、取り入れてこなかったウエート・トレーニングで肉体改造を図った。「40歳手前になって筋力アップは難しいかもしれないけど、維持する狙いはある。代打で『ここで一発ホームランほしい』と場面があるかもしれない。そういう力も蓄えとかないと」と、39歳での新たな取り組みで、求められる役割への準備を着々と進めている。

 そんな入念な準備が実を結ぶ。3月26日のDeNAとの開幕戦(東京ドーム)。9回に2点差を追いつかれて迎えたその裏の攻撃。先頭で代打起用されると、相手クローザーの三嶋一輝から右翼へプロ野球史上初となる開幕戦代打サヨナラ弾。「始まったばかりですが、今年一番の当たりでした」と笑顔を見せた。

 オープン戦では年齢などを考慮されてチームを離脱した時期もあったが、開幕は当然のように一軍で迎え、そして早くも仕事を果たした。チーム屈指の人気を誇り、精神的支柱でもある稀代の勝負師は、グラウンドに登場するだけで流れを変えられる選手である。

写真=BBM
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