新星与田竜の目玉が力強くスタートを切った。盗塁数爆増を目標に掲げる指揮官の秘蔵っ子は4年目の高松渡。3月26日の開幕・
広島戦(マツダ)では1点リードの9回二死一塁で代走出場。2球目にプロ初盗塁を決めた。
「成功してよかったです」。得点圏に進んだことで、広島の外野は前進シフトを敷いた。続く井領の打球は中越えの適時三塁打。貴重な追加点のホームを踏んだ。「二塁にいったことで外野が前に出てくれた。こういうのを続けていきたい」と言葉に力を込めた。
チームの開幕初一軍は根尾、岡林、石橋、滝野、そして高松の計5選手。うち、根尾は新助っ人
ガーバーの来日が遅れていることで開幕・左翼をゲットした。ほかの4選手はいずれも盗塁を狙える俊足カルテット。指揮官は「ここからどうやって良い数字を残していけるか」とグラウンドに送り出していた。
得点を足で稼ぐ。昨季の総得点429は12球団最少。チーム盗塁数33はリーグ5位だった。そこで、与田監督は盗塁企図数を昨季55から150へと急増させる目標を立てた。オープン戦ではリーグ1位の13個をマーク。指揮官は「挑んだことが形になった」と一定の手応えを口にしていた。
高松は開幕3戦目でも代走で出塁し二盗を決めた。4月10日の
ヤクルト戦(バンテリン)でも一塁代走となり、捕邪飛から二塁を陥れている。打撃、守備ともに発展途上。「足でアピールしたいです」。一芸があればこそ、ライバルを淘汰できる。足にスランプはないと言われる。高松がグラウンドを駆け回る。
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