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DeNA・嶺井博希 打撃開花でつかんだ開幕マスク/開幕一軍の喜び

 

開幕スタメンで起用されたが、現在は戸柱恭孝との併用でマスクをかぶる。定位置の座をつかむには打撃でアピールするしかない


 キャンプからの競争を勝ち抜き、開幕戦先発マスクをつかんだのは嶺井博希だった。亜大から入団8年目の29歳。3月26日の巨人戦(東京ドーム)は初の開幕投手で立ち上がり不安定だった濱口遥大を必死にリード。バットでも2回の第1打席で菅野智之から左前打を放って存在感を示した。

 嶺井には開幕にまつわる珍しい記録がある。そのシーズンの「初打数」で安打をマークし、一時的ながら「打率10割」を電光掲示板に刻むのが何と8年で6度目になった。新人だった2014年はプロ初打席で四球。約2カ月後の2打席目でウィリアムス(西武)から2点三塁打を放ち、これが劇的な逆転サヨナラ打となっている。

 翌年からはシーズン初打席で二安、中二、二安を記録し、18年は開幕2戦目で石川雅規ヤクルト)から本塁打した。「5年連続の打率10割スタート」は意外性の男にふさわしいエピソードの一つだった。

 3年ぶりの珍事は、地道な進化があってのこと。捕手のローテーション制を敷いたラミレス前監督の下で出番は限られたが、昨季は打率3割以上をマーク。同郷の山川穂高(西武)や亜大先輩の松田宣浩ソフトバンク)らとの自主トレでヒントを得ている打撃は開花の兆しにある。今季もオープン戦で山本由伸オリックス)から本塁打を放った打撃力が開幕の決め手になった。

 謙虚で捕手向きと言われる性格は投手陣の人望が厚く、後輩からも「バウ」の愛称で愛される。今季は転機の1年になりそうだ。
写真=榎本郁也
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