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“ダブルカーブ”を意のままに操るオリックス・宮城大弥/スタートダッシュに成功

 

開幕から安定した投球を続けるオリックス宮城大弥


 高卒2年目・19歳の宮城大弥が、開幕2戦目の先発に抜擢されて結果を残した。

 3月27日西武戦(メットライフ)で、7回5安打2失点(自責1)と好投し、今季初勝利をマーク。球団では阪急時代の1957年、米田哲也以来となる開幕カードで10代の先発投手が勝利を挙げる快挙となった。

「思った以上の投球ができた。前日にチームが負けてしまったので、今日は『絶対勝つ』と思ってました」

 本能にしたがった。4回無死、四番・山川穂高を迎えた9球目。「スライダーを投げる瞬間に『打たれるかファウルになる』と。勝手にカーブに変えました」。内角低めの114キロのカーブで空振り三振に仕留め、山川に地面にヒザをつかせた。「江夏の21球」でスクイズを外したカーブのように、直感を信じた。

「初回にスライダーを打たれた。直球、チェンジアップもファウル。大きく曲がる球は投げてなかった」

 最速は148キロで、最遅は96キロのカーブ。遅速を使って緩急を生かし、曲がりの大小を二段に構え、変幻自在に球種を増やしている。

 19歳は背伸びしない。順調に結果が出ても「周りと比べないように。あまり考え過ぎないようにしています。(先輩が)山岡(泰輔)さん、(山本)由伸さんですから、比べるのも……」とスタイルは不変だ。

 球速が110キロ台と90キロ台の「ダブルカーブ」などで緩急を生かし、打者のタイミングを外す。幼少期は、甲子園で躍動する菊池雄星(花巻東高・現マリナーズ)や、松井裕樹(桐光学園高・現楽天)にあこがれた。

 今でも剛速球に目を輝かせるが、周囲と自分は別物と言い聞かせ「新人王」を狙う。

写真=BBM
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