4月13日の西武戦(メットライフ)で、1094日ぶり、そして移籍後初の勝利を挙げた
春季キャンプ終盤に加入した男が先発陣の救世主となっている。
楽天からやってきた
池田隆英が堂々と先発ローテーションを張っている。3度目の先発となった4月13日の西武戦(メットライフ)は粘りが光った。走者を背負っても慌てず、低めを丹念に突き、一つひとつアウトを重ねて6回1失点。待っていたのは楽天時代の2018年4月15日西武戦(楽天生命パーク)以来1094日ぶり、そして移籍後初勝利だ。
「やっと勝てて、良かったなと思います。本当に最高ですし、本当にあきらめずに、本当に良かったですし、また次もしっかり勝って、チームの勝利に貢献したいと思います」
敵地でのヒーローインタビューでは喜びをかみしめながら、笑顔で話す池田に拍手が送られた。
幾度の苦難も乗り越え、新天地で花開きつつある。創価高3年のときに右ヒザ前十字靱帯を断裂。進学した創価大でも3年時までは0勝と復活まで時間を要した。楽天入団後も古傷が再発。再び手術を受け、19年オフには育成契約となったが、表舞台に返り咲くことはあきらめなかった。
地道なトレーニングを重ねて昨オフに支配下選手に復帰。そして、請われて
日本ハムにやってきた。高校の先輩でもある
栗山英樹監督の下で開幕ローテーション入りを勝ち取り、2度目の先発登板からはカード初戦を任されている。ピンチでも動じず、やるべきことに集中する姿は頼もしい。苦しみを知るからこそ身についた心の強さは大きな武器だ。開幕1カ月前に現れた新戦力の躍動がチームの大きな力になっている。
写真=BBM