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ソフトバンク・田浦文丸 指揮官も度胸を評価する左腕が、強気つかんだ1勝/第一歩を踏み出した

 

初の開幕一軍から初勝利も挙げた田浦。今季は今後もたくさんの経験を積んでいきそうだ


 童顔の小柄な左腕にとって、大きな一歩だ。4月11日の楽天戦(楽天生命パーク)。わずか1点リードの6回から3番手としてマウンドに登ったのは、4年目の田浦文丸だった。四球と味方失策で、二死二塁と同点ピンチを招いたが動じない。鈴木大地を低めの直球で二ゴロ。続く7回も走者は背負ったが、後続をきっちり抑えた。持ち前の強心臓ぶりを発揮し、2回無失点。「素直にうれしい。走者を背負っても、次の打者で抑えられたことは自信になる」。ブルペンデーの一角として役割を果たし、待望のプロ初勝利を手にした。

 秀岳館高では2年春から4季連続甲子園出場を果たし、2018年ドラフト5位で入団した。2年目に一軍で8試合に投げたが、昨季は腰痛の影響もあり二軍戦登板もわずか1試合。雪辱に向けて、自主トレでは同じ左腕の嘉弥真新也に弟子入りし「打者に対する攻め方とか多くを学べた」と一軍で戦うための準備を整えた。工藤公康監督は「物怖じしないしマウンドで緊張もしない」と、元来その度胸を高く評価しており、キャンプ中から好アピールを続けた今季は初の開幕一軍入りを果たした。

 一軍デビューした2年目には、映像を見たダルビッシュ有(現パドレス)にSNSを通じて得意のチェンジアップを絶賛された経験を持つ。プロ初勝利をマークした試合では30球を投じたが、自慢のチェンジアップは1球のみ。自主トレで広げた投球の幅を示した。身長168センチと小柄ながら「不利だなんて思っていない」。可愛らしいルックスとは対照的な強気が信条の左腕が、さらなる飛躍を目指す。

写真=BBM
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