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DeNA・阪口皓亮 プロ4年目、涙のウイニングボール/第一歩を踏み出した

 

今季4度目の先発となった4月25日の阪神戦(甲子園)は5回途中4失点で降板し、2勝目はならず


 抑えの三嶋一輝が左手のグラブを目いっぱい伸ばした。収めたボールを一塁へ送り、牧秀悟は大事に捕球した。4月3日の広島戦(横浜)。開幕から9試合目で初白星を手にしたDeNAだけでなく、阪口皓亮にとっても特別な試合だった。「チームも勝てない状況が続いていたし、僕自身も勝利がほしいというのがあった。気持ちを前面に出して『行くぞ!』という気持ちで投げました」。今季初登板初先発で5回3安打無失点。一塁ベンチでゲームセットの瞬間を見届けると、こらえていた涙があふれ出した。

 プロ4年目、7試合目で初勝利。三浦大輔監督から譲られたウイニングボールをギュッと握り「女手一つで育ててくれた母に、感謝も込めてプレゼントできればいいかなと思います」と喜びをかみしめた。

 北海道・北海高で才能を伸ばし、3年夏の甲子園では右腕から148キロを計測した。東克樹神里和毅と同じ2018年にドラフト3位でプロ入り。「エースとして完投できる投手になりたい。3年以内に新人王を取り、いずれは沢村賞を目指したい」と高い志を掲げた。1年目からイースタン・リーグで3勝。U-23ワールドカップにも出場した。一昨年に一軍デビュー。昨季は三浦二軍監督の秘蔵っ子として、同リーグの最高勝率に輝いた。

 直球は150キロを超え、落差の大きなカーブが特徴的。カットボールやスプリットも磨いており、広島戦からの4試合で1勝1敗、防御率2.79と先発ローテーションで奮闘中だ。苦境続きのベイスターズを照らす希望の光。輝きを放つ場所はいくらでもある。
写真=佐藤真一
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