あるときは後輩からニックネームの「ミッツ」と呼ばれ、あるときは年下野手を真剣な眼差しで注意する。
中日の盛り上げ役は三ツ俣大樹しかいない。
ベンチが盛り上がったのは4月17日の
広島戦(バンテリン)だった。8回二死一、二塁で打席に向かう。右翼ポール際への大飛球を放った。あと1メートルで本塁打というフェンス直撃の2点二塁打。これが実に7年ぶりのタイムリー。勝利に貢献した。三ツ俣にとって、2014年9月以来の打点となった。
翌18日の同カードではスクイズを決めてガッツボーズ。
与田剛監督は「よく決めてくれた。少ないチャンスをよくものにしてくれている。守備での動きもいい。よく頑張ってくれています」と大満足の様子。三ツ俣は「サインが出て一発で決めることができて良かったです。いただいたチャンスに応えられるように、毎日、必死に頑張ります」。少しだけ表情を緩めた。
14年に
オリックスからトレード加入した。学年は主将・高橋周のひとつ上。キャプテンからは「ミッツ」と親しまれる。「周平はしょうがないヤツです。ボクをいじって、キャプテンのあいつが気持ちよく野球やれるなら、いいと思います」と怒るそぶりは一切ない。一転、後輩野手の雑なプレーは見逃さない。「真剣にやれよ」とピシャリと注意する。
高橋周は「僕がいいときも悪いときも、お世話になっています」と話す。主将にとっては感情をコントロールする上で、グラウンド内外で三ツ俣の重要度は高いという。オリックス時代より中日時代のほうがずっと長い。生え抜き的存在で、高橋周ら生え抜きを下支えする。
写真=BBM