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「あのころの継続。だけど……」オリックス・伏見寅威/わがチームのムードメーカー

 

明日12日に31歳を迎えるオリックス伏見寅威。キャリアを重ねても姿勢は変わらない


 三十路となっても飾らない。伏見寅威は、ありのままに生きる。ベンチでも、試合前練習でも、年齢順に並ぶことの多いウオーミングアップ中でも、伏見は必ず最前列にいる。

「気持ちはずっと変わりませんね。一軍の試合に出始めたときから。あのころの気持ちを忘れてはいけないので。一・五軍の選手だったし、なんとか一軍に残るために最前列で元気を出してました。習慣というか、自分の中では何も変わってない」

 声で、姿勢で引っ張る。

「今は若い選手が多いんでね。年齢が上だから、若手に『声を出せ』というのは簡単。でも、自分から行動できる選手でないと、とは思う。若手に『寅威さんが元気出してるから、自分も』と思ってもらえたらいいなって。自分では、あのころの継続だけど、その意味合いが変わってきましたね」

 伏見の心がけが、チームを前に向かせている。

 若手投手からの信頼も厚い。22歳右腕の山本由伸からは「寅威さんはいろいろ(状態を)見て、配球を考えてくれる。一筋縄ではいかないぞ、と言ってくれたりもします」。19歳左腕の宮城大弥は「カーブの中でも、球速差を使うことを教えてもらいました。いつも勉強になります」。

 試合中のブルペンにも背番号23は向かう。「確認事項を打ち合わせ。何も話さずにサインを出されても『ん? なんで?』となる。一言、簡潔に伝えるだけで、変わってくる」。

 2019年6月に左アキレス腱(けん)断裂の大けがを負ったが「絶対、グラウンドに戻るんだ」と誓った、あの日があるから、大きな声も張れる。

写真=BBM
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