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DeNA・佐野恵太 チームを鼓舞する四番のバット/わがチームのムードメーカー

 

佐野のバットに当たりが戻ると同時にチームは上昇気流に乗った。5月に入り5勝1敗と好調だ


 苦しいチーム状況は抜け出せずにいるが、この人のバットは確実に調子を上げてきた。昨季のセ・リーグ首位打者、佐野恵太が4月23日からの阪神3連戦(甲子園)で計6安打4打点をマーク。さらに打撃は上向き、5月は6試合で打率.440と本来の姿を取り戻しつつある。ラミレス前体制から三浦大輔新監督に移っても、開幕から全試合に四番で起用され続けており信頼は不変。来日が遅れていたソトオースティンの外国人大砲が合流して再結成された強力クリーンアップの中軸にどっかり座っている。

 甲子園での阪神戦が始まる前の佐野は24試合で3打点にとどまった。チーム屈指のクラッチヒッターが得点圏打率で2割を切っていた。外国人不在で相手のマークが集中し、主将の責任感から気負いを指摘する声もあった。それが4月25日の試合では4回に同点打、5回は一時勝ち越し打と2本の適時打を放ち、7回の犠飛で3打点を挙げた。チームは逆転負けで借金15となったが、四番打者が引っ張った打線は実に16試合ぶりの2ケタ安打と活気を見せた。

 入団以来、試合前のミーティングで雑学などのネタを披露し和ませてきたムードメーカー。昨季は優勝争いから事実上脱落した9月の巨人戦3連敗で、主将としてアクションを起こさなかった後悔があり「結果が変わるかは分からないが、今年は迷ったら全部行動に移す」と決めている。昨年以上に周囲に気を配りつつ、プレーで引っ張ろうとする姿勢は胸を打つ。頼れる四番、主将がいるDeNAに巻き返しの可能性は十分にある。

写真=大泉謙也
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