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日本ハム・堀瑞輝 持ち前の能力に精神面も成長。獅子奮迅の働き続けるセットアッパー/序盤戦MVP

 

奪三振能力の高さを武器に勝利の方程式を支える役割を担う


 堀瑞輝がセットアッパーとして獅子奮迅の働きを続けている。5月18日現在でチームトップの18試合に登板し、9ホールド。失点した試合は2試合だけで、最下位に低迷する中で着実に仕事をこなしている。最大の特長である奪三振能力の高さも健在。これまでに11回2/3を投げて18奪三振。試合終盤に投げる投手の必須条件とともに、今季は安定感も増してきた。

 成長を感じさせたのは5月8日楽天戦(札幌ドーム)での投球だ。3点リードの8回に登板すると、いきなり先頭打者に対して3球続けてボール。以前なら、定まらない制球を修正できないまま簡単に四球を与えることが多かったが、この日は即座に修正ポイントを見いだし、4球目以降はストライクゾーンへ3球続けて最後は見逃し三振を奪った。
 
 持ち前の能力や技術の高さに精神面が追いついてきた。直球とスライダーは高卒1年目の17年のときにも一軍で十分通用する質の高さがあった。3年目から本格的に中継ぎとして投げ始めたが、緊迫した場面で精神面の弱さが露呈することもしばしば。同僚からも「豆腐」ともたとえられるメンタルを「もう少し、硬いものでたとえられるように」と克服を誓っていたが、今季は体現できている登板が多い。

 長年、チームを支えてきた宮西尚生が4月下旬に一時は再調整となったこともあり、堀の存在感は増している。ブルペン陣が本来の力を発揮できていない中で、勝利の方程式を支える大事な役割を堂々と担う5年目左腕が覚醒を予感させる投げっぷりを見せている。

写真=BBM
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