チームに欠かせないリリーバー。チーム内での存在感は絶大だ
主力野手の相次ぐ戦線離脱に加え、
高橋光成以外の先発陣が安定感を欠き苦戦が続いた
西武。5月に入り、
栗山巧、
山川穂高と徐々にケガ人が復帰を果たし、合流が遅れていた外国人も加入したことで光明が差したかに思われたが、今度は鉄壁を誇っていた守護神・
増田達至が状態を落とし、ファーム調整に。そんな中、主にセットアッパーとして開幕から圧巻の投球でチームを支えているのが
平良海馬だ。5月25日現在、23試合、22回2/3を投げ、防御率0.00。19ホールドはリーグトップを誇る。
好結果の要因は「球種の割合」だ。最速160キロの豪速球を持ちながらも、自身の球種の中で直球の被打率がワーストだとのデータから、スパッと変化球主体の投球に切り変えた。もともと、「いろいろな球種を投げたい」という考えの持ち主であり、変化球の割合を増やすことはむしろ大歓迎。先輩・
今井達也も太鼓判を押すカットボールやチェンジアップ、スライダーなど、いずれの変化球も自費で購入したトラッキングマシン「ラプソード」によって数値と感覚とをマッチングさせた、超一級品だ。直球をうまく融合させ、今後も相手打者を翻弄していく。
登板過多に懸念の声もあるが、接戦が多く、勝利の可能性のある試合ではどうしても頼らざるを得ない。守護神が完全復調するまで、「しっかり自分が良い投球をして盛り上げていきたい」。チームの優勝と最優秀中継ぎのタイトルを最大のモチベーションに、目の前の打者に全身全霊で勝負を挑む。
写真=BBM