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巨人・高橋優貴投手 「技術もだけど、気持ちの強さも大事」。指揮官の叱咤に応える月間MVP左腕/序盤戦MVP

 

今季初登板から5戦5勝で3・4月度の月間MVPを獲得した巨人高橋優貴


 言葉が進化を象徴していた。高橋優貴が今季初登板した4月1日の中日戦(バンテリン)の5回二死三塁。四番のビシエドを空振り三振に抑え、右拳を突き上げてほえた場面を、高橋は「絶対にここは抑えるんだという気持ちが出ました。『あの打者(ビシエド)で決める』と。そういうのは2年目(昨季)はあまりなかったかなと思います」と振り返った。

 2019年ドラフト1位左腕は今季、好スタートを切った。開幕から5戦5勝、防御率1.80をマークし、3・4月度の月間MVPを獲得。「去年、何もできていないので、今年こそはという思いが強いです。それがいい方向につながっていると思います」。昨季はオープン戦で発症した左ヒジ痛の影響でリハビリが長引き、一軍復帰は後半戦に入ってから。期待されながらもわずか1勝にとどまり、その悔しさが原動力になっている。

 開幕前の出来事が「覚醒」のきっかけだった。3月14日の阪神とのオープン戦(甲子園)。5回1失点と好投しながら、原辰徳監督から「闘争心というか、自信が(なく映る)ね。先発ローテに入るのなら、まだ他に適任者がいるのではないか。秀でてはいない」と苦言を呈され、ファーム降格を宣告された。

 これを機に高橋は「技術もだけど、気持ちの強さも大事」と強気を意識するように。二軍での追試をクリアし、先発ローテ6番手の座に滑り込むと、序盤戦のチームを見事に引っ張った。期待の裏返しとも言える原監督の“愛のムチ”に応えた左腕。5月に入り、3戦勝利なしと苦しい時期を迎えているが、再びの快進撃が期待される。

写真=BBM
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