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DeNA・伊藤光 投手陣、チームをけん引する司令塔/守備職人のプライド

 

伊藤光が一軍に合流した後、チームの雰囲気が変わった。頼りになる存在だ


 いまだに5位の背中も遠いDeNAに頼もしいピースが加わった。開幕直前の左ふくらはぎ肉離れで出遅れていた伊藤光が5月18日に一軍昇格。同日の中日戦(横浜)に途中出場して祖父江大輔から自身2年ぶりの本塁打を放った。2試合の中止をはさんだ21日のヤクルト戦(神宮)からは連日スタメン起用されて先発陣の好投を引き出し、三浦大輔監督も「経験豊富な捕手。うまくリードしてくれた」と評す。

 打撃力も光るが、最大の持ち味はやはりリード面だ。オリックスから加入2年目の2019年、DeNA投手による完封は6試合あった。内訳は今永昇太が3、濱口遥大が2あり、同年のルーキー上茶谷大河が1試合。そのうち5試合で伊藤光は先発マスクをかぶっている。投手との対話で万全の準備と立ち上がりの重要性を説き、組み立ては試合全体の展開を俯瞰して勝負所とのメリハリを付ける。伊藤光のゲームマネジメント力が導き出した数字と言っていい。

 ベストナインに輝いたオリックス時代の2014年以降、リード面で評価を下げて出番を減らした時期もあった。恩師の前田大輔コーチ(現オリックス・スコアラー)と「ルーキーの時のようにもう一度」と二人三脚で再出発を誓い、机上のデータだけでなく、投手の特徴や目前の試合状況に寄り添うリードへの変革を目指した。その下積みが今に生きている。19年オフにDeNAと4年契約を結び直し「僕はベイスターズに救われた」と球団に感謝した伊藤光が、最下位に沈むチームの救世主となる。

写真=大賀章好
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