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広島・中村奨成捕手 運命の入団から、4年目に飛躍/地元愛を胸に

 


 広島で生まれ、広島で育ち、カープに入団した男がいる。4年目の中村奨成だ。二軍の施設、大野練習場がある廿日市市内が地元。小学1年時に軟式少年野球クラブの大野友星で野球を始め、大野東中から名門・広陵高へ進み、3年の夏の甲子園では大会新記録となる6本塁打をマーク。一世を風靡(ふうび)し、2017年秋のドラフト会議では2球団競合の末に広島に入団が決定した。まさに運命といっても過言ではないだろう。

 かつて中村奨は、地元・広島東洋カープ入団直後、こう話していた。

「縁を感じた。2球団に指名していただいても、カープが引いてくれると思ってました。ドラフト前からカープが引くだろうと。生まれ育った広島は素晴らしい街。そこの象徴でもあるカープでプレーできることは言葉にできないほどの喜びです」

 鳴り物入りで入団したが、2年間は一軍出場ゼロと苦しんだ。二軍戦で結果を残した3年目の7月26日、DeNA戦(横浜)でプロ初出場を果たした。しかし、この年は代打で4打席に立ち、無安打に終わった。4年目の今季は開幕一軍こそ逃したが、一軍昇格を勝ち取った4月16日の中日戦(バンテリン)で悲願のプロ初ヒットをマーク。1度二軍に降格したものの、チームのコロナ禍の影響で「特例2021」により5月18日に再昇格し、6月2日まで出場7試合連続安打を記録するなど、飛躍を続けている。

 地元ファンからは活躍への期待とともに熱い視線を送られ続けている。強い地元愛を胸に、プロの舞台で奮闘を続けていく。

写真=BBM 
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