ルーキーの伊藤優輔はあこがれた巨人のユニフォームに袖を通した。東京都荒川区出身。幼いころからジャイアンツファンで、少年時代は東京ドームに何度も足を運んだという。
「上原(
上原浩治)選手がずっと好きでした。松井(
松井秀喜)選手がアメリカに行く前の最後の試合も見に行きました。49号、50号を観戦したのがすごく印象に残っています」
伊藤の名が野球ファンの記憶に刻まれたのは、“都立の星”と言われた都小山台高時代。3年生だった2014年の春のセンバツに、都立高では初となる「21世紀枠」で出場し、投打の主軸だった伊藤は話題を集めた。その後は中大へ進み、東都リーグでは1年春から登板機会をつかんだ。大学卒業後は三菱パワーへ進み、20年の秋のドラフト会議で巨人から4位で指名される。直後の都市対抗ではENEOSの補強選手として出場し、東京ドームで自己最速の156キロを計測するなど力を見せている。
1年目の今季は春季キャンプでドラフト1位の
平内龍太とともに一軍メンバーに選ばれるも、3月からファームへ降格。故障班での調整を経て、5月15日のイースタン・リーグ、
ロッテ戦(ジャイアンツ)に中継ぎとして登板し、公式戦デビューを果たす。ここでは1回無失点。「ひさびさの実戦でしたが、自分のボールを投げ込むことができたと思います」とスタートラインに立った。
現在は先発にも挑戦するなど、さらなる可能性を模索中だ。東京ドームのマウンドで、ジャイアンツファンを沸かす日を夢見て、腕を磨いている。
写真=BBM