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DeNA・倉本寿彦  大きな代償を払っても悔いはなし。再び「波乗りジョニー」を響かせる!/地元愛を胸に

 

現在はファームでリハビリ中。復帰にはもう少し時間がかかりそうだ


 大きな代償を払っても、倉本寿彦に後悔はなかった。「どんな形でもヒットになればいい」と新人時代に決意し、自身のスタイルにもしたヘッドスライディング。それを試みたのが5月9日の阪神戦(横浜)だった。3試合ぶりに「二番・遊撃」で先発出場。初回無死二塁で二ゴロを放った直後だ。必死に伸ばした左手が一塁ベースに引っかかり、しばらく立ち上がることができなかった。苦痛に顔をゆがめ、2回の守備から交代。病院での検査結果は、左手薬指の脱臼と剥離骨折だった。翌10日に出場選手登録を抹消。最も避けたかった長期離脱だった。

「ショートでレギュラーを取ることは、ドラフトで指名されたときに決意しました」と初々しい表情で決意表明したのは7年前だ。横浜生まれの茅ヶ崎育ちで横浜高出身。幼少期から横浜スタジアムへ通い、石井琢朗(現巨人一軍野手総合コーチ)にあこがれた。背番号「5」を受け継ぎ、プロ1年目から有言実行。3年目の2017年にはレギュラーシーズンから日本シリーズまで全156試合にフルイニング出場を果たした。

 浮き沈みを経験しても、常に試合に出続ける姿をイメージしてきた。一昨年はキャリア最少の24試合。「状況を読む。イニングの先頭では我慢する」と出塁率を重視するようになった。昨年は82試合で打率.276。出塁率は自己最高の.333と巻き返しの足がかりをつかんだ。実戦復帰には時間がかかりそうだが、横浜産の看板選手は絶対不可欠。元気な姿で、登場曲「波乗りジョニー」を響かせてほしい。

写真=大泉謙也
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