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西武・岡田雅利 絶大な存在価値を示す“ピンチバンター”/ひと振りにかける

 

大きな重圧の中、代打で犠打を決める岡田


 今季は新型コロナの影響を受け、9回打ち切りであること、さらに昨季から2018年、19年に見せた圧倒的な打撃力が鳴りを潜めた流れを受け、辻発彦監督は今季の戦い方について、「場合によっては、“1点”を必死に取りにいくことも出てくるだろう」と、緻密さを再度選手たちに徹底したい考えを口にしていた。

 その手段として欠かせぬ戦法の1つがバントだ。そして、そこで絶大な存在価値を示しているのが岡田雅利である。19年から今年6月22日現在まで犠打成功率100パーセント。一度も失敗していない。捕手というポジション的な事情もあり、ベンチスタートが多いため、犠打の数字自体は計17個と決して多くはない。それでも、スタメンとして何打席もある中での1打席で求められる犠打と、代打で犠打のみが一択の“ピンチバンター”とでは、その重みは明らかに違う。

 その価値をスタンドのファンも十分理解しているため僅差の場面で打者が出塁し、代打に岡田の名が告げられるとスタンドには一気に緊迫感が漂う。そして、涼しい顔で仕事を果たし終え、ベンチに戻る犠打職人にチームメートはもちろん、観客も盛大な拍手をもって称えるのである。

 試合前練習でのマシンを使っての犠打練習は絶対。しかも、狙いたい方向へカゴを置き、その中へ確実に入れるという質へのこだわりにも、自身の中での犠打の存在がいかに重要であるかが伝わってくる。捕手での安定感同様、犠打の確実性もまた、信頼を得る武器なのだ。まさに、代打での一犠打に野球人生を賭けていると言っても過言ではないだろう。

写真=BBM
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