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中日・柳裕也 抜群の制球力を誇る5年目右腕/オールスター候補の躍動

 

柳 裕也


 開幕から柳裕也が安定した投球を続けている。交流戦を終えた時点で登板11試合でクオリティースタートは9試合。防御率は1.89はリーグトップの数字を残した。

 特筆すべきは76イニング1/3で86の奪三振。「勝負どころで取れるのが一番良い。全球種を勝負球にできているのが良いかなと思う」。直球、カーブ、スライダー、シンカー、カットと、どのボールをとってもクオリティーが上がっている。

 今季はオープン戦では3試合で防御率7.88と散々だった。与田監督からは「士気が下がる」と叱咤された日もあった。何かを変えなければ――。そんなときだからこそ最も遠ざけてきたことに取り組んだ。

「今まであまりトラックマンなどのデータへの意識が高くなかった。自分のボールの質を知った上で、どんな球が有効なのか考えるようにした。こういうボールをこういうところに投げれば生かせるなと思った」

 はじき出される回転数などの数値よりも自分の感覚を信じてきた。それが今では「自分に近い数値の人がどう投げているのかとか見るようになった。自分の感覚が一番大事だと思うけどそういう力も借りて、投げていきたい」と語る。

 交流戦ではソフトバンクを7回無失点、さらにロッテ相手には圧巻の1安打完封勝利を飾った。「慎重に大事に投げてきた結果です」。決して大口を叩くわけではないが、強打のパ相手にこれだけの投球ができたことは大きな自信になったはずだ。

 交流戦明けの6月18日ヤクルト戦(神宮)は6回途中5失点。らしくない投球で今季3敗目を喫したものの、25日の広島戦(マツダ広島)は7回3失点で今季6勝目。昨年の勝ち星に並んだ。チーム浮上のためには柳の力投がカギになる。まだまだチームに勝利を運びたい。

写真=BBM
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