攻撃的な打撃で、すでに一軍経験を誇る安田、
藤原恭大、
山口航輝、高部瑛人──、有望な若手野手がそろうロッテの中で、今季のドラフト3位ルーキー・小川龍成の存在は特異だ。
3年連続ゴールデン・グラブ賞の
西武・
源田壮亮を彷ふつさせる遊撃守備は高く評価され、オープン戦でもチームNo.1の守備範囲の広さを見せていた。首脳陣からも「源田のようになってほしい」と期待を寄せられている。
オープン戦では12試合に出場し、打率.238ながら12球団トップの5盗塁をマークしたが、開幕直前の3月19日の
巨人とのオープン戦(東京ドーム)で右ヒザ付近を痛めて開幕二軍スタート。「あのケガがなければ……」と悔やんだこともあった。
それでも、現在は気持ちを切り替えて、先を見据えて汗を流す。「(二軍で試合に出させてもらうことで)技術的な課題も出てきている。今はそれと向き合って練習している」と明かす。
課題とは打撃だ。
福浦和也二軍ヘッド兼打撃コーチの助言を受けながら、バットを振り込んでいくと、学生時代に見えなかったことも見えてきた。「これまでは体が前に流れて、手だけで打つということが多かった」と、現在は軸足に体重を残し、下半身の力を使って打つことを目指している。
抜群の守備力に加え、50メートル走を5秒9で駆け抜ける快足。
井口資仁監督も「小技が利くので、いろいろな作戦を立てやすい」とオープン戦中から評価してきた。こんな役割を担える選手が出てくれば、チーム力はさらに上がる。
写真=BBM