夏が近づくにつれて、長野久義のバットも“熱”を帯びてくる。6月26日の
中日戦(マツダ
広島)。3点リードの7回、二死一、二塁から代打で出場し、
ロサリオからダメ押しとなる左越えの今季1号3ランを放った。「(西川)龍馬と(石原)貴規がつないでくれたので、打ててよかったです」。夏の訪れを告げるかのような、爽快な一発だった。
夏男の季節到来だ。18年まで在籍していた
巨人時代からスロースターターだった長野は、夏場に本領を発揮する。広島移籍1年目の19年は前半戦で不振が続き、7月から8月上旬にかけて二軍行き。しかし一軍再昇格後は8月の月間打率は.286、9月は.313をマークした。昨季は7月の月間打率.296、8月は3本塁打を放つなど、状態の良さが数字に表れている。
今季はチームが新型コロナ禍に見舞われた影響で、長野もウイルスに感染。療養と二軍での調整期間を挟み、約1カ月ぶりに一軍の舞台に戻ってきた。今季1号を放った際には「体は元気です。僕は特に何もなかった。大丈夫です」と万全を強調していた。
チームは借金が重なり、下位での争いが延々と続いている。後半戦の巻き返しへ、今後、長野のスタメン機会も増えていく可能性は高い。長野は「この位置にいるようなチームじゃないし、まだまだ上を目指してみんなで頑張っていきたいです。チームに貢献できるように頑張っていきます」。チーム屈指の夏男が、最年長としても体を張ってチームを熱く盛り上げていく。
写真=BBM