チームの軸となる存在が必要不可欠だ。投打の軸となるエース、四番、そして守備の要となる捕手の活躍がチームの浮沈を握る。
ロッテの正捕手を務める田村龍弘が6月23日の
ソフトバンク戦(ZOZOマリン)からようやく一軍に帰ってきた。
「問題はない。万全です」
身長172センチ。小さな体には、根性と気合がぎっしりと詰まっている。その試合で途中出場すると、翌24日の同戦ではスタメンマスクをかぶって、
佐々木朗希を懸命にリードした。
4月27日の
西武戦(メットライフ)で、二塁から本塁へ生還した走塁で左太腿裏肉離れ。この試合前の時点で貯金3。開幕5連敗スタートながら勢いを完全に取り戻していたが、正捕手を欠いて停滞した。
2016年にはベストナインに輝いたディフェンス力は高い。打撃も粘り強く、勝負強さも兼ね備える。今季は2月の石垣島キャンプに入る前から、普段よりも体重を4キロも絞り込んできた。
昨年は右手人差し指骨折、腰や背中などの痛みも抱えていたことで、柿沼、
佐藤都志也との併用も多かった。開幕前から「誰からも何も言われないような成績を残して、しっかりとレギュラーとしてもう一度やりたい」と気合を入れていただけに、故障による離脱は悔しかった。
それでも残り試合は十分にある。チームは停滞しながらも、混戦模様にも助けられて、ここから上を狙える位置にいる。「気合と根性があれば、乗り切れる」。巻き返しを誓う正捕手はここからキャリアハイを狙っていく。それがチームのためにもなる。
写真=BBM