攻守でチームの要となっている森
今季は
栗山巧、
山川穂高、
外崎修汰、さらには
源田壮亮までもが戦線離脱という、かつてないまでの危機がチームに続いた。その中で、「みんなが帰ってくるまで頑張らなければいけない」と“グラウンド上の監督”として強い責任感を自らに課しながら、
森友哉はマスクをかぶり続けてきた。投手のコントロールミスやワンバウンドの球に対して体を張って止め、痛めた箇所は1つ、2つではない。死球や自打球など、打撃面で負った傷も含め、まさに満身創痍の状態であることは想像に難くないが、それでも常に「痛いところがあるのはみんな同じ。大丈夫です」とグラウンドに立ち向かう姿には、並々ならぬ覚悟を感じる。
実際、その姿に投手陣は全幅の信頼を寄せている。どうしても言葉の壁が存在する中で、
ギャレットは「まず、どんな球でもしっかりと体を張って止めてくれるところが一番助かる。それに森選手が出してくれるサインはだいたい自分が投げたい球種。仮に彼が出すサインより自分が投げたい球種のほうが自信がある場合でも、彼は理解を示してくれる」と森への信頼とリスペクトを力説する。
また、自慢のバットも、序盤こそなかなか成績につながらなかったが、「状態は悪くない」とブレることなく自身のスイングを貫き、5月中旬からは一気に打率が上昇。6月には3割台に引き上げた。後半戦の爆発に期待がかかる。負傷者続出の影響もあり、今季は年下野手の台頭が著しい。チームの戦力に変動が見える中、年齢、経験値とも中核を担う背番号10。投手、野手からますます頼られる中、どう牽引していくか、注目だ。
写真=BBM